日々進化する治療・ケアにかかわる用品がもたらした変化、活用する際の注意点などを紹介!今回はハイフローセラピー専用デバイスを取り上げます。飲食・会話・睡眠が可能といった特徴や、使い方を解説します。

ハイフローセラピーが急速に普及

 NPPVが登場したことで、人工呼吸療法が必要な患者の「会話」や「経口摂取」などが可能となりました。しかし非侵襲的といっても、NPPVマスクによる皮膚障害や苦痛・拘束感など、患者への負担は少なくありません。

 酸素流量が1回吸入量以上の流速であれば正確な酸素療法が可能であるため、加温・ 加湿システムを併用することで経鼻で30L/分以上の酸素療法が可能であることが確認され、急速に普及してきています。

 これら、「一定の酸素濃度の高流量の酸素を、加温・加湿しながら投与することを可能とした専用のデバイスにより実現した新しい酸素療法」は、ハイフローセラピー(high flowtherapy、HFT)1と総称されています。専用のデバイスを図1に示します。

図1 ハイフローセラピー専用デバイスの例

Airvo™(エアボー)2

Airvo™(エアボー)2(画像提供:フィッシャーアンドバイケルヘルスケア株式会社)

ベイポサーム社プレシジョンフロー®

ベイポサーム社プレシジョンフロー®
(製造:Vapotherm社、取扱:エム・シー・メディカル株式会社)

治療を続けながら飲食・会話・睡眠が可能

 ハイフローセラピーには次のような効果があるとされています1

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