働き方の選択肢の1つとして知っておきたい、訪問看護。臨床経験や、認定看護師などの資格が活かせるのか、看護師としてどう成長できるのか、気になっているナースも多いのではないでしょうか。
ソフィアメディで訪問看護師として働く小澤奈緒さん、同社で管理者を経験後、現在はエリアマネジャー補佐をしている宮地麻美さん、全社で教育・研修を担当するクオリティマネジメント推進グループのマネジャーの田邉政郁さんにお話を聞きました。 (※記事の内容は2025年2月取材当時のものです)
指定訪問看護ステーションを主軸事業とし、北海道・関東・東海・北陸・関西・九州で87のステーションを展開(2025年2月時点)。“英知を尽くして「生きる」を看る。”というミッションのもと、病気だけでなく、患者様やそのご家族の人生そのものを支える在宅医療サービスを提供している。

小澤奈緒おざわなお
ソフィアメディ訪問看護師
新卒で4年間、循環器病棟で急性期、亜急性期疾患看護を経験。3年間リーダー業務の一環で退院支援に関わる。2021年にソフィアメディへ転職し、現在はステーション日吉にて看護主任として勤務。

宮地麻美みやじまみ
ソフィアメディエリアマネジャー補佐(元管理者)、摂食嚥下障害看護認定看護師
看護師歴24年。精神薄弱児施設で4年働いた後、医療知識を求めて看護師の道へ。ナショナルセンターで看護教員資格を取得後、大学院へ進学、2014年摂食・嚥下障害看護認定看護師資格取得。回復期リハビリテーション病院を経て、2019年にソフィアメディへ転職。管理者として3年従事し、現在はエリアを横断して事業所のコーチング業務にあたる。

田邉政郁たなべまさふみ
ソフィアメディクオリティマネジメント推進グループ グループマネジャー
理学療法士として勤務後、一般企業を経てCUCグループに参画。在宅事業部にて訪問診療クリニックや医療機関の経営支援業務に従事後、2021年10月よりソフィアメディの教育研修グループ(現:クオリティマネジメント推進グループ)に異動し、2024年4月より現職。
ソフィアメディに転職して訪問看護師になった理由は?
小澤さん
循環器病棟で4年間勤務した後、ソフィアメディに転職し、現在は事業所の看護主任として働いています。看護師になったのは、高校生の時に母が膵臓がんにかかって入院したことがきっかけです。残りの時間が少ないから家で看ようとしていたのですが、結局病院で亡くなってしまい……母を在宅で看取りたかった、という思いをずっと抱えていたので、在宅看護にはもともと興味があったんです。循環器病棟で急性期看護を経験するなかで、リーダーとして退院支援にかかわるようになりましたが、その時に心不全などで入退院を繰り返す方が多いことを知りました。「ご自宅ではどう過ごされているんだろう?」と疑問に思ったものの、病院の中にいては見えてこない部分がどうしてもあって……。「退院支援はこれでいいのかな、在宅で看護がしてみたい」、そう思って転職をすることにしました。
病院勤務時代から、退院後の患者様の暮らしを考える退院支援の看護が好きだったんです。病気だけではなく「その人の生活」「その人の人生」を看たいと思っていて、ソフィアメディの「“生きる”を看る」という理念に共感したのも大きいです。私の目指す看護とコンセプトが合うなと思いました。その印象は今も変わらず、楽しく働けています。
宮地さん
私が訪問看護の道へ進んだきっかけですが、通っていた看護学校の近くに、『病院で死ぬということ』というノンフィクションを書かれた山崎章郎先生のホスピスがありました。見学に行くと「入所を待っている間になくなる方も多い」という話をお聞きし衝撃を受けたんです。その中で訪問診療と訪問看護を利用しているがん末期の患者様が自宅で家族に囲まれて安らかに看取られる様子を見て、「いつか私も在宅看護の場で役に立ちたい」と思いました。急性期、慢性期、回復期の看護を経験し、ソフィアメディに転職しました。私自身これまで多くの方々に育ててもらいましたし、同じように頑張っている看護師を支えたいという気持ちでいますが、それ以上にスタッフからエネルギーをもらっていると思います。

訪問看護の仕事は看護師としての成長につながる?
宮地さん
以前の看護の世界では、訪問看護で働くのは、病院で十何年も経験してからの最終的なキャリアというイメージがありました。ですが、「キャリアの最終章ではなく、ここから成長したい」「もっと素敵な看護師になりたい」と考えていたので、教育に力を入れているソフィアメディを選びました。これまでの経験を活かし、引き続き教育に携わりたいという思いもかなっています。入社1年目の時から知っている小澤さんが、今では看護主任をするようになった、そんな成長を見られるのは嬉しくて私自身の励みになっています。
小澤さん
私も転職する前、先輩に「訪問看護はまだ早いんじゃない?」と言われました。でも、在宅看護に興味がありましたし、場合によっては臨床に戻って学んだことを退院支援に活かせばいいかなと考えていたんです。実際に訪問看護師として働いてみると、新しい視点で看護に向き合うことができますし、学べることも非常に多く、もしいつか病院で働くことになった時にも、訪問看護の経験が活かせると強く感じています。

訪問看護の仕事で感じるやりがいとは?
小澤さん
私がやりがいに感じるのは、お看取りの看護です。お看取りの時間には、患者様の人生の大事なところが詰まっていて、私たちはそこに入らせていただくんですよね。残された大切な時間のなかで、何が一番したいのか、どうすればその人らしい時間となるのか……。感情移入しやすいタイプなので精神的につらい時もあるのですが、患者様のその時間に看護師として向き合うことが私のやりたかった看護だとわかりました。
がん末期やお看取りを控えた患者様に介入する際は、信頼関係を築きながら「今一番不安なことは?」などご希望を早期に確認し、状態変化に応じて繰り返し対話を重ねます。ある患者様は当初「痛みが強くなったら病院へ」と希望され、ご家族も在宅療養に不安を抱いていました。しかし、病状が進行すると「やっぱり家にいたい」と変化。訪問を重ねご家族と連携し、ご自宅で最期を迎えました。お看取り後、ご家族から「最初はわからないことだらけで、自宅で看ることは無理だって思っていたけど、皆さんの力を借りながら最期を自宅で看取ることができて本当によかったです」とお言葉をいただきました。ご家族様の協力を得ながら、ご本人が望む過ごし方ができたこと、ご家族様の支えとなれたことを看護師として実感し嬉しく思いました。
宮地さん
私が特に印象に残っているのは、入社1年目に出会った80代のがん末期の患者様です。同居しているのは高齢の夫様だけ、ご本人と娘様の希望からご自宅ではなく、病院での最期を望まれていたのですが「お正月だけは家に帰りたい」と希望され、外泊の許可が下りることになったんです。元旦の朝9時に訪問し、大切な家族の時間にご自宅に訪問させていただける幸せを感じました。「あなたたちがいなかったら実現できなかった。本当にありがとう」と仰っていただき、これが患者様の「生きる」を看ることだと実感し、もっともっと、本気で患者様と向き合おうと思った瞬間でした。

摂食嚥下障害看護認定看護師の資格を訪問看護でどう活かしている?
宮地さん
36歳で入った大学院では、遷延性意識障害看護を学び、患者様の意識を活性化させるためには口腔内を整えること、そしてQOLを上げる「食べられる口」をつくることが大切だと知りました。口腔ケアをはじめ、口腔リハビリ、その人に合った形態や姿勢など、多角的な知識や技術を身につけたいと考えるようになり、43歳で摂食嚥下障害看護認定看護師の資格を取得しました。美味しく食べられると人は幸せを感じ、QOLも上がります。患者様にもスタッフにも、ケアの根拠や理由を伝え、口腔内を整えられるので、資格をとってよかったと思っています。
小澤さん
私も摂食嚥下障害看護の認定資格取得には興味があります。専門的な知識があればもっと患者様の役に立てるだろうなと思います。
看護師のキャリア形成をサポートする制度や研修とは?

田邉さん
宮地さんのように認定看護師などの資格をもつ方がスキルを活かせるよう、社内で仕組みをつくっています。年間の計画書を出してもらい、対外的な講習や社内の勉強会、研修資料やパンフレットの作成など、幅広く活動していただいています。ソフィアメディには社内に専門・認定看護師の方が13の分野で計26名在籍*しているので、様々な領域のプロフェッショナルによるナレッジを全国の事業所に広げられるよう推進していきたいと考えています。(*2024年3月時点)
小澤さん
先日、緩和ケア認定看護師の方が作成してくれた緩和ケアに関するパンフレットが社内共有されたのですが、まさに私が欲しいと思っていたものだったんです。観察の仕方やがん性疼痛、麻薬による副作用などがまとまっていて、緩和ケアに慣れていない他のスタッフにも特に役立っていることを感じています。
田邊さん
ソフィアメディでは、訪問看護未経験で入社される方が多くいることもあり、入社1年目で新人教育プログラムを実施し、病院での動きとは違う訪問看護の基礎を学んでいただいています。看護技術および訪問看護に必要な知識が習得できる当社制作のオリジナル動画コンテンツも約210*用意しているので、前職が病院でも訪問看護でも安心して業務を行えるよう学習をサポートしています。(*2024年3月時点)
また、これから認定資格を取りたいと思われている方には、在職期間3年以上の方を対象に、資格取得を応援する「奨学金制度」を設けているので、意欲のある方はぜひ利用して、チャレンジしてもらえたらと思います。
宮地さん
新人教育プログラムの研修では、名刺の渡し方や言葉遣い、身だしなみの整え方といった接遇面、制度といった訪問基礎を勉強します。まずは訪問看護師としてひとり立ちすることが大事ですね。


訪問看護をめざす方へのメッセージ
田邉さん
皆さんご存じの通り、医療依存度の高い在宅療養者が近年増えています。専門の資格をもつ訪問看護師が、そうした方の対応をする体制を整えることはとても大事ですし、訪問看護では今後さらに、資格をもつ方が活躍できる幅が広がっていくと思います。皆さんのスキルを活かしていただけるよう、会社としてサポートしていきます。
宮地さん
身につけてきた知識を活かして、患者様に寄り添いたい、患者様と一緒に歩みたいと思ったら、ぜひ訪問看護の道を考えてみてほしいです。私自身、まわりのスタッフの看護を見て、「人それぞれの看護があり、どの人の看護も尊敬できる」ということを教えられました。「自分の看護はこれだ」と自信をもって、患者様と向き合ってもらえたらいいなと思います。
小澤さん
「訪問看護って学べることが少ないのでは?」と誤解されることがあるのですが、それは違うと思うんです。むしろ生活を含めてすべてを看るから、様々な診療科のことを学ぶことができます。患者様毎の個別性を大事にした看護に取り組みたいと思っている方にはおすすめです。ぜひ皆さんの知識を教えていただけたらと思います。私はソフィアメディに入って、やりがいを感じる看護に気づくことができました。“自分らしい看護”を見つけられて、今とても楽しいです!

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