抗菌薬が喀痰培養検査やグラム染色検査の診断精度を低下させる理由とは?喀痰採取の際の注意点など看護師が知っておきたいポイントを解説します。

Q. 喀痰採取は薬剤投与後に行ってもよい?

A.
特に抗菌薬の投与後では診断価値が下がります。すでに投与されている場合は、検査室に報告しましょう。

抗菌薬投与による喀痰培養検査への影響は?

 肺炎などの通常の呼吸器感染症では、抗菌薬投与前に喀痰を採取することが大原則となります。その理由は、抗菌薬投与後では原因菌の発育が抑制され、培養検査やグラム染色検査*1で検出できず診断価値が下がるためとされています(図11

*1【グラム染色検査】=細菌の細胞壁の構造の違いを利用して染色する検査方法のこと。グラム陽性菌は紫に染まり、グラム陰性菌は赤く染まる。

図1 抗菌薬のグラム染色に与える影響

抗菌薬のグラム染色に与える影響
(文献1より引用)

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