厚生労働省は2025年8月29日、令和6年度の「医療費の動向」を公表しました¹。「医療費の動向」は、医療機関からの診療報酬の請求(レセプト)に基づいて、医療保険・公費負担医療分の医療費を集計したものです。これにより、医療費の動向を迅速に把握して、医療保険行政のための基礎資料とすることを目的に調査されています。
本データにおける医療費は速報値であり、労災・全額自費等の費用を含まないことから「概算医療費」と呼称され、医療機関等での傷病の治療に要した費用全体の推計値である国民医療費の約98%に相当します¹。
前年度より約0.7兆円増で4年連続過去最高を更新
令和6年度の医療費は48.0兆円で、前年度に比べて約0.7兆円の増加となりました¹。令和3年度以降、4年連続で過去最高を更新しています。医療費の診療種別の内訳と対前年伸び率は、表のとおりです¹。
表 診療種別の医療費の内訳と対前年伸び率

入院医療費の動向について、これを構成する要素のうち、推計平均在院日数はCOVID-19流行以前より短縮傾向が続いており、令和6年度は医科病院で29.3日、医科診療所で10.7日でした。一方、推計1入院あたりの医療費は医科病院・診療所ともに増加傾向にあります¹。
- 1.厚生労働省:「令和6年度 医療費の動向」を公表します~概算医療費の年度集計結果~.
https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/24/dl/iryouhi_data.pdf(2025.9.20アクセス)
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