睡眠時無呼吸症候群(SAS)とCPAP療法について、看護師が知っておきたい知識を厳選して紹介。臨床現場で観察やケアにどうつなげればよいかを解説しています。
※この記事は『エキスパートナース』2026年11月臨時増刊号「看護の知識の総復習」の内容を抜粋したものです。
☑睡眠時無呼吸症候群(SAS)は単なるいびきではない。無呼吸による低酸素と交感神経の過緊張が、高血圧、心不全、脳卒中、不整脈のリスクを高める。
☑特に治療抵抗性高血圧、早朝高血圧、肥満を伴う高血圧ではSASを背景に考えることが重要である。
☑CPAP療法は、睡眠中の上気道閉塞を防ぐだけでなく、血圧管理や心血管リスクの低減につながる重要な治療である。
みんなやりがち ナースの落とし穴
■CPAP療法は装着すれば終わりではない。鼻の乾燥、マスクの圧迫感、空気の漏れがあると継続しにくくなる。
■導入時から、実際に使ってみて苦痛の部位を確認し、加湿やマスクサイズの調整につなげることが大切である。
ベッドサイドで差がつく!「しくみ」と「根拠」の最速整理
■睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、上気道の物理的閉塞による閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と、呼吸指令の異常による中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)がある。
■OSASでは、睡眠中に上気道が繰り返し閉塞し、低酸素、覚醒反応、交感神経の亢進が起こる。これが、夜間血圧の上昇や日中の高血圧につながる。また、降圧薬を飲んでいるのに血圧が下がりにくい患者では、いびき、日中の眠気、起床時頭痛、肥満がないかを確認し、SASを背景因子として考える。
■CPAP療法は、寝ている間に一定の圧をかけて上気道を物理的に広げ、無呼吸を防ぐことで、夜間低酸素と血圧上昇の悪循環を断つ。
思考プロセスの可視化 ベッドサイドでまず何を優先して考え、どう動くか
検査前
■PSG検査は、睡眠中の呼吸状態を確認し、SASの診断や重症度の評価につなげる検査である。必要な治療につなげることで、将来の高血圧や心血管合併症の予防につながることを伝える。
導入期
■「眠れたか」だけでなく、マスクの痛み、空気の漏れ、乾燥、鼻閉、口渇を具体的に確認し、加湿やマスク調整につなげる。
フォローアップ
■AHI、リーク量、装着時間、朝の頭痛、日中の眠気、血圧の推移を確認し、改善が不十分なら装着状態や口呼吸の有無を見直す。
AHI(無呼吸低呼吸指数)
■AHI(無呼吸低呼吸指数)は、眠っている間に「呼吸が止まること」や「呼吸が浅く・弱くなること」が、1時間あたりに何回起きたかを表す数値である。
■無呼吸:呼吸による空気の流れがほとんど止まる状態が、10秒以上続くこと。
■低呼吸:呼吸が浅く・弱くなり、酸素の値が下がったり、眠りが浅くなったりする状態。
■AHIが高いほど、睡眠中の呼吸の乱れが多いことを示す。
先輩や医師に聞かれたら、こう切り返す!
■医師から「CPAPの使用状況はどうですか?」と聞かれて「装着時間、AHI、リーク量を確認します。マスクのフィット感、口呼吸、鼻閉、乾燥や圧迫感の有無も確認し、改善が不十分な場合は装着状態やマスクの調整を検討します」
\続きは誌面で/

エキスパートナース2026年11月臨時増刊号
看護の知識の総復習
剱持雄二 著
宮国泰彦 医学監修
B5・148ページ
定価:1,980円(税込)
照林社
- 1.日本呼吸器学会,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班監修,睡眠時無呼吸症候群(SAS)
の診療ガイドライン作成委員会編:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020.南江堂,東京,2020.
2.日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン:2025年改訂版 心不全診療ガイドライン.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Kato.pdf(2026.9.20アクセス)
3.本間あや:耳鼻咽喉科医が行う鼻トラブル管理.睡眠医療ネクサス 2025;1(1):8-15.
この次に読まれている記事
そのほかの連載記事
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。


