胸腔ドレーンの吸引圧を調整する理由は?気胸・血胸、皮下気腫増大時、肺全摘手術後、心臓・大血管手術後、それぞれの適切な吸引圧を解説します。
Q. 吸引圧はなぜ調整をするの?どう判断して変更しているの?
●呼吸状態・循環動態の回復・安定を目的に調整します。
●状態により、吸引圧を上げる場合(皮下気腫、一部の気胸・血胸)、下げる場合(肺全摘出後)、変更しない場合(心臓・大血管手術後)があります。
調整のカギは、“呼吸状態や循環動態の回復・安定”
胸腔ドレナージは、虚脱した肺の再膨張を促し有効な換気を維持するとともに、外傷血胸や膿胸・中等度以上の気胸・肺野の術後などで胸腔内に貯留した滲出液や血液・空気を体外に排出し、呼吸状態・循環動態を回復・安定させることを目的としています。
吸引圧はこの目的、つまり、呼吸状態・循環動態が回復・安定するように調整されます。
積極的なドレナージが必要と考えられる場合には、最初から陰圧をかけてドレナージをしていきますが、積極的なドレナージが必要でないと考えられるときには水封で管理を開始します。陰圧をかけた場合は、その後も呼吸状態や循環動態の変化を観察し、吸引圧を変化させたり水封にし、ドレナージ効果を高めるようにケアしていくわけです。
状態により、適した管理は変わる
吸引の適切な圧は、病態により変わります。ただし、どんな場面でも、多大な吸引圧は肺損傷、縦隔動揺、後出血などの合併症を起こす可能性があるため、適正な吸引圧の範囲を守る必要があります。
以下に具体的にみてみましょう。
1)気胸・血胸
気胸や血胸では、肺が再膨張できるように-8~-15cmH2Oで開始します。その後の排液の流出状況や脱気の状況をドレーンバックで確認するとともに、呼吸状態や循環動態を観察し効果を把握していきます。
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