せん妄のメカニズムを知れば、効果的な対応・ケアが見えてきます!今回は急変のサインとしてのせん妄の注意点や、バイタルサインとの関係を解説します。
せん妄発症後はバイタルサインの変化に注意
手術侵襲のほか、サイトカイン過剰となる敗血症など重症感染症、全身性エリテマトーデス(SLE)を代表とする膠原病、播種性血管内凝固症候群(DIC)などもせん妄の原因となります。
これらの病態は急変につながることから、「せん妄=急変のサイン」とみることもできます。特に敗血症は、せん妄を伴うと死亡率が高くなることが知られています。敗血症での発熱2~3日前にせん妄が先行発症する例も少なくなく、せん妄発症後数日はバイタルサインの変化に注意しましょう。
また、せん妄は心不全や呼吸不全といった脳以外の臓器不全が原因になります。臓器不全を疑う血圧低下、頻脈、酸素飽和度低下、尿量低下などとともに生じたせん妄は、バイタルサインの重度の悪化を反映したものとして、医師と情報共有、重点的な観察などの対応が適切です。
※この記事は『エキスパートナース』2019年10月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。