せん妄のメカニズムを知れば、効果的な対応・ケアが見えてきます!今回はせん妄における、妄想などの精神症状で生じることや、ケアのしかたを解説します。
精神症状で生じること
せん妄ではドーパミン過剰の影響や、理解できないことを稚拙な作話で補うため、妄想がよくみられます。特に興奮を伴う場合、妄想の修正・説得は困難です。
せん妄は時間単位で変動するため、タイミングによって理解力が変化し、妄想がみられる場合とみられない場合があります。
ケアのしかた
興奮して修正や誘導が難しいときは、安全に配慮して少し時間を置いてから再度介入を試みることも合理的な対応です。言語の理解が低下している状況では、声かけが感情の逆立てとなることもあり、抗精神病薬を早めに使用し、落ち着くのを待つのも選択肢です。
Reality orientationとは対極的に、妄想や見当識などの誤認を否定せず本人の意見に寄り添う方法も、不安軽減効果への期待から試みられています。
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