医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回は、カリウム製剤を中心静脈から投与する方法を解説します。濃度、投与量、投与速度を確認しましょう。
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末梢静脈より、高濃度の静注用カリウム製剤の投与が可能です。適応症例は限られており、投与方法も末梢静脈とは異なり種々の制約があります。モニタリングや、カリウム濃度補整による中止・減量が必要になります1,2。
対象患者
●血清カリウム濃度が4.0mEq/L未満の場合。
●輸液負荷をかけることが困難であり、静注用カリウム製剤を希釈投与することが難しい場合。
①重症心不全の症例
②心臓血管外科開心術の症例
③利尿を期待するのが困難な腎不全の症例
④短時間に血清カリウム値の補正が必要な不整脈(予防を含む)症例
投与量
●末梢静脈から投与する場合と同じく、カリウムイオンとして1日100mEqを超えないようにする。
投与速度
●カリウムイオンとして、20mEq/時を超えないようにする3。
濃度
●静注用カリウム製剤を希釈して100mEq/L以下の濃度で投与3。
実際の投与方法
〈投与開始時〉
●常に医師がベッドサイドで看護師とともにダブルチェックを行う(患者名、薬剤、投与量、投与時間、投与経路を確認)。
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