ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。第19回は、術後管理での画像を見る際の、前提となる知識についてです。

術後管理で行う画像検査とその目的

 術後管理で行う画像検査と、その目的を以下に示します。周術期の呼吸器合併症の鑑別に、胸部X線・CTがオーダーされます。

胸部X線検査

  • 術後肺水腫、無気肺、胸水貯留の有無
  • 胸腔ドレーンの位置確認

腹部X線検査

  • ドレーンや胆管カテーテルなどの位置確認
  • 術後麻痺性腸閉塞の鑑別
  • 嘔気があるときの胃拡張の有無

患肢X線検査(整形外科領域)

  • 整復位が保たれているかの確認
  • インプラントの逸脱やインプラント周囲に新たな骨折を起こしていないかなどを確認

エコー検査

  • 肺塞栓の診断
  • 右房が拡大していたら肺塞栓による右心負荷を疑う

胸部CT検査

  • 無気肺、肺塞栓、肺炎の有無
  • 胸水

腹部CT検査

  • 感染疑い時、膿瘍の検索

患肢 CT 検査(整形外科領域)

  • 三次元的な骨の形態変化や石灰化の描出
  • X線ではっきりしない骨折、骨腫瘍、脊椎疾患などの診断

頭部CT検査

  • 開頭・穿頭術後の血腫の増大・縮小・脳浮腫、再出血の有無などの確認

この記事は会員限定記事です。