医療用麻薬とオピオイドの違いとは?オピオイド誘発性便秘(OIC)とは?基本情報を確認しながら、OIC対策の注意点を紹介します。
●オピオイドの特徴を理解しよう。
●オピオイドによる便秘に対しても、まずは従来の排便パターンやその他の要因についてアセスメントすることが大切。
医療用麻薬とオピオイドの違いは?
オピオイドは、医療用麻薬とほぼ同じ意味と捉えられがちですが、まず医療用麻薬とオピオイドについて整理しておきましょう。
医療用麻薬とは?
使用や管理方法を法令によって厳格に規定されている薬物であり、法律上の麻薬とは、「麻薬及び向精神薬取締法」第2条により、「別表1に掲げる物」として指定されたものです。
オピオイドとは?
オピオイド(opioid)とは、「麻薬性鎮痛薬やその関連合成鎮痛薬などのアルカロイドおよびモルヒネ様活性を有する内因性または合成ペプチド類の総称」1です。
鎮痛作用などに関与するオピオイド受容体に作用することで、より強い鎮痛作用を現わす薬とされています。
オピオイド受容体には、3つの受容体、μ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)があることが知られています(それぞれの特徴は表1参照)。多くのオピオイドによる鎮痛作用は、主にμオピオイド受容体を介して発現します。
オピオイドについておさえておきたいのは、オピオイド受容体に作用する薬剤でも、医療用麻薬に指定されていないものもあるということです(例:コデイン、トラマドール、ペンタゾシン、ブプレノルフィンなどは麻薬処方箋での処方を必要としません)。
また、国によって医療用麻薬に指定されている薬剤は異なります。
表1 オピオイド受容体別の薬理作用の特徴

オピオイド誘発性便秘(OIC)とは?
オピオイドによる便秘(オピオイド誘発性便秘)は主に、μオピオイド受容体への作用によって生じると考えられています。
各種臓器からの消化酵素の分泌抑制、消化管蠕動の抑制、食物消化の停滞、大腸における水分吸収促進によって便が固くなったり、肛門直腸括約筋弛緩の阻害と肛門直腸感受性の低下などによって便秘が生じるといわれています。
OICに対する治療薬として、2017年6月に PAMORA(末梢性μ受容体拮抗薬)が登場しました。 μオピオイド受容体は広く生体内に分布していますが、消化管にも多く発現しています。
PAMORAは、それら消化管のμオピオイド受容体に結合してオピオイド鎮痛薬に拮抗することで、OICを改善します。中枢におけるオピオイド鎮痛薬の作用は阻害しにくいため、オピオイドの鎮痛作用には影響がないとされています。
OICに対する便秘対策の注意点は?
オピオイド使用患者でOICが生じている場合、全員にPAMORAを使用すべきでしょうか。OICに対する便秘対策で注意しておきたいことを紹介します。
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