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POINT

●膀胱内で細菌が繁殖することで、感染症を起こす可能性がある。
●尿道留置カテーテルの挿入時に、多くの細菌を膀胱に押し込んでしまわないための消毒を考える。

尿道留置カテーテルの挿入と細菌感染のリスク

 ここでは尿道留置カテーテルを挿入するときの消毒と、改めて気をつけたい感染対策について説明します。

 膀胱内に尿がたまった状態が続くと、膀胱内で細菌が繁殖し、感染を起こす可能性があります。健常人では細菌が膀胱内に侵入しても無症状であることが多く、その後の経過で症状が悪化することはほとんどありません。しかし、全身状態の悪い患者さんではまれに膀胱炎、腎盂腎炎を引き起こし、敗血症へと移行する場合があるので注意が必要です。

 定期的に排尿を行うことができる場合、細菌を繁殖させることなく体外へ排出させることができるので、感染防止にもつながります。しかし、何らかの理由で排尿ができない場合には、意図的に尿を体外へ排出することが検討されます。 意図的に尿を対外へ排出する方法には、カテーテルを用いて一時的に排尿を促す間欠的導尿や、カテーテルを留置したまま袋の中に蓄尿する尿道留置カテーテルがあります。

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