代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は「陰性化」のメカニズムを紹介します。

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陰性化とは?

 心室期外収縮の波形をもう一度見てみましょう。すべての心室期外収縮でそうなるわけではありませんが、この波形では、QRS波が下向きになっていました。

 「波形が下向きになる(陰性化)」とはどういうことか、メカニズムを紹介します。図1をふまえて、波形が陰性化する原因を考えてみましょう。

①通常、通常、刺激伝導系を流れる電気は、心臓の右上から左下に流れています
②Ⅱ誘導からみれば、電気は近づいてきています。このとき、波形は上向きに出ます
③波形が陰性になるということは、どこかで逆向きの流れが発生していることを表しています

図1 陰性化のメカニズム

陰性化のメカニズム

P波が陰性になる

P波が陰性になる

 P波=「心房の電気の流れ」が離れていっているということは、房室接合部付近から刺激が出ていると考えられます。

QRS波が陰性になる

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