代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は心室期外収縮(PVC)の波形の読み方を紹介します。あわせて見ておきたい検査データもチェックを。
心室期外収縮の読み方(図1)
通常のリズムと別に、心室から発生した波形に注目!
電気刺激が洞結節から出ていないので、P波はなく不規則な波形で(①②)、刺激が通常の伝導と異なるところを通るため時間がかかり、QRS波は幅広になります(③)。
図1 心室期外収縮の読み方


Lown「3以上」でドクターコール
心室期外収縮は、重症不整脈(VT、VF、PEAなど)の前触れかもしれません。Lown(ラウン)分類(表1、図2)で重症度を判断し、「3以上」であれば医師に報告しましょう。
表1 Lown分類

図2 ドクターコールが必要な心室期外収縮波形

心室性の不整脈が出現するということは、心筋の動きが異常であるという認識を持たなければなりません。体液バランスのチェック、症状の有無、薬剤の影響など、原因をアセスメントする必要があります。
心筋梗塞や心筋症、心不全など、心臓自体の疾患が隠れているかもしれません。検査データも確認し、状態が悪化する前に対処しましょう。
あわせて見たい検査データ
急性心筋梗塞(AMI)
●CK↑(男性:57~197U/L、女性:32~180U/L)
●CK-MB↑(定性:1~4%、定量:15~25U/L)
●WBC↑(4,000~8,000/μL)
●肝酵素(AST、ALT)↑(AST:10~40U/L、ALT:5~45U/L)
心不全
●BNP↑(18.4pg/mL以下)
●胸部X線での心拡大
●IN/OUTバランスの変化
心筋症
●WBC↑
●CRP↑(0.3mg/dL未満)
●発熱
(基準値は文献1より引用)
- 1.西﨑祐史,渡邊千登世編著:ケアに生かす検査値ガイド 第2版.照林社,東京,2018.
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