【第1回】緩和ケアの最新の考え方
【第5回】予後の予測はどうする?
【第7回】痛み・苦しみへの介入のポイント②包括的症状評価ツール
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数値化した評価だけでなく質的な評価も重要視する

非がん疾患の終末期の苦痛は、がんを上回る場合がある

 痛みなどの症状が患者さん本人にとってどれほどの苦痛なのか、家族でもない第三者(他者)がこれを客観的に評価することは容易なことではありません。なぜなら、患者さん本人が体験している痛みや苦痛、および苦しみ(suffering)は、身体症状のみによって表現されるものではなく、精神面、社会面、スピリチュアルな側面を含む「全人的苦痛(トータルペイン)」(図11として、多面的に表現されるためです。

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