悲がん患者さんの痛み・苦しみにはどのように介入すればよいのでしょうか。今回は、全人的苦痛(トータルペイン)の評価やサポートについて解説します。
数値化した評価だけでなく質的な評価も重要視する
非がん疾患の終末期の苦痛は、がんを上回る場合がある
痛みなどの症状が患者さん本人にとってどれほどの苦痛なのか、家族でもない第三者(他者)がこれを客観的に評価することは容易なことではありません。なぜなら、患者さん本人が体験している痛みや苦痛、および苦しみ(suffering)は、身体症状のみによって表現されるものではなく、精神面、社会面、スピリチュアルな側面を含む「全人的苦痛(トータルペイン)」(図1)1として、多面的に表現されるためです。
図1 全人的苦痛(トータルペイン)の概念図

これらの多面的な苦痛をケアするために、まずは「エドモントン症状評価システム改訂版 日本語版」などの包括的評価ツールを用いて、身体的症状を評価し苦痛症状の緩和を行います。身体的苦痛が緩和されれば、その次は精神的・社会的苦痛が表出され、最後には根底にあるスピリチュアル面の苦痛(苦悩)が表現されるようになります。
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