【第1回】なぜ、血液型検査と交差適合試験(クロスマッチ)の検体を同時に採血してはいけない?
【第3回】輸血製剤は何分以内なら室温で保管してもよい?開封しなければ他の患者さんに使用できる?
【第5回】輸血セット接続時の注意点は?
そのほか「輸血」の関連記事はこちら
Q. 緊急時の“異型輸血”実施、患者さんの「血液型」と「輸血製剤の血液型」はどの組み合わせなら問題ない?
Answer
●緊急時、患者さんの血液型不明の場合は、赤血球製剤は「O型」を、血漿製剤は「AB型」を使用
●異型輸血は、赤血球上の抗原と血漿中の抗体が反応しない組み合わせであること
緊急時、血液型不明の場合はO型の赤血球製剤を
『危機的出血への対応ガイドライン』1(発行:日本麻酔科学会、日本輸血・細胞治療学会)では赤血球製剤の緊急時の選択について「時間的余裕がない場合は交差適合試験を省略し、ABO同型血を用いる。同型適合血が不足する場合はABO異型適合血を用いる」「血液型不明の場合はO型を使用する」と記載されています。この意味を考えてみましょう。
患者さんの血液型が判明(確定)している場合は、血液型と同型の輸血製剤が最も問題のない組み合わせであることは言うまでもありませんが、患者さんの血液型が不明の場合には、血液型がABO血液型のどれであっても輸血製剤が患者さんの血液と反応しないような血液型の組み合わせでなくてはいけません。
この記事は会員限定記事です。