輸血の指示が出たとき、注意したいポイントをQ&Aでわかりやすく解説。今回は、輸血セット接続時の注意点について紹介します。

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Q. 輸血セット接続時の注意点は?

Answer
●血液が漏れ出す恐れがあるため、輸血バッグは必ず水平に置いた状態で輸血セットを接続する
●専用の輸血セットを用いる

輸血バッグは必ず水平に置いた状態で接続する

 輸血を準備するときには、輸血バッグを点滴スタンドに吊り下げた状態で輸血セットを接続してはいけません。接続作業の際に、輸血バッグ内の血液成分が漏れ出る恐れがあります。

 輸血バッグは必ず処置テーブルの上に水平に置いた状態で、輸血口に輸血セットのプラスチック針を差し込みます(図1)。

 輸血セットの接続時にはプラスチック針の根元までしっかりと差し込むようにしてください。
 差し込むときに少し抵抗感がありますが、ねじ込むようなつもりで、しっかりと差し込んでください。 差し込みが浅いと輸血口とプラスチック針のすき間ができて、そこから血液成分が漏れ出してしまうので注意してください(図1)。

図1 輸液セットをつなぐときのポイント

輸液セットをつなぐときのポイント

フィルター付きの専用の輸血セットは2種類

 なお、輸血を実施するときは、輸血製剤中の微小凝集塊(ぎょうしゅうかい)を濾過するためのフィルター付きの専用の輸血セットを使います。

 輸液セットにはフィルターがついていないので、輸血には使用しないように注意してください。 輸血セットには“赤血球製剤用”と“血小板製剤用”があります。赤血球製剤用の輸血セットはメッシュ(濾過網)のフィルターが付いており、血小板製剤用の輸血セットはわかりにくいですが、ロックコネクターの中にフィルターがあります(図2)。

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