【第1回】治療の場での精神症状へのかかわり方
【第4回】うつ病/双極症の基礎と対応のヒント
【第6回】不安症、強迫症の基礎と対応のヒント
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統合失調症の基礎知識

 統合失調症の患者さんは小さな変化やノイズを敏感に察知する能力をもっていますが、それに揺さぶられてつらさにもつながります。“先を案じる”ことに縛られて、湧き上がる不安感に圧倒されます。
 それを抱えられなくなると“外からやってくるもの”として対処しようとし、その現れが幻聴であり被害妄想です(周りに“わかられている”感覚)。

 ほかには、自分の考えが他人に筒抜けになると感じる“思考伝播”、身体の感覚が異常なものにさせられると感じる“身体への影響体験”(体中に配線を入れられている、など)、意欲が出なくて活動が落ちる“自発性の低下”、感情の色合いが単調になる“感情の平坦化”などの症状があります。

薬剤治療の進み方

 抗精神病薬を用いますが、改善しづらいことがあり幻聴や妄想に苦しむ患者さんも多いです。

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