白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液がんは、かつては「不治の病」といわれ、そのようなイメージをもつ人も多いかもしれません。

 しかし、治療法の発達に伴い、現在では、血液がんは決して不治の病ではなく、「治せる病気」になってきています。 そこで、血液がんの最新の治療・ケアについて紹介します。

代表的な血液がん

白血病

 造血幹細胞から成熟白血球までの、さまざまな分化段階での遺伝子異常によって発症する血液がん。小児・AYA 世代から高齢者まで、幅広い年齢層で発症する。唯一の根治的治療として同種造血幹細胞移植を要することがある。

多発性骨髄腫

 リンパ球がさらに成熟した形質細胞が腫瘍化して発症する。異常な免疫グロブリン(Mタンパク)を産生し、高カルシウム血症や腎不全、貧血、骨病変、アミロイドーシスなど多彩な臨床症状を伴う。難治性疾患だが、新薬の登場で予後が改善しつつある。

悪性リンパ腫

 成熟リンパ球が腫瘍化し、リンパ節や節外臓器(リンパ節以外の臓器)に病変をつくって発症する。発熱や体重減少、盗汗(ひどい寝汗)を伴うことがある。一部の悪性リンパ腫は、ヘリコバクター・ピロリや HTLV- 1などの感染によって発症する。

造血幹細胞移植や分子標的治療薬などにより「治せる病気」に

 白血病、悪性リンパ腫など、血液がんはまだまだ「不治の病」や「難病」というイメージが強く、ひとたび著名人が血液がんと診断されると、世間は大騒ぎになります。

 実際には、造血幹細胞移植や分子標的治療薬などの技術進歩により、血液がんの予後はどんどん改善しています。 例えば、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(アメリカ)において、慢性骨髄性白血病は1975年以前、生存0例の「不治の病」でしたが、同種造血幹細胞移植の導入などで年代ごとに徐々に治療成績は改善し、“特効薬”ともいうべきチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブメシル酸塩、ダサチニブ水和物、ニロチニブ塩酸塩水和物など)が登場した2001年以降は「治せる病気」となっています(図11

図1 慢性骨髄性白血病における年代別生存率の改善
図1 慢性骨髄性白血病における年代別生存率の改善
(文献1より引用)
1.Kantarjian H, O’Brien S, Jabbour E,et al:Improved survival in chronic myeloid leukemia since the introduction of imatinib therapy:a single-institution historical experience.Blood 2012;119(9):1981-1987.

血液がんの最新治療・ケア【第2回】患者さんの増加と薬剤の新規薬剤の登場

この記事は『エキスパートナース』2019年7月号特集を再構成したものです。
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