看護師が知っておきたい、アピアランスケアの知識を解説。抗がん剤治療による脱毛対策の1つがウィッグです。がん患者さんに合ったウィッグの選び方や看護師ができるサポートを、がん薬物療法看護認定看護師が紹介します。

Q. ウィッグはどこでどうやって、どんなものを選べばよい?

ひとこと回答
ウィッグ選びのポイントは、患者さんに合った①価格、②かぶり心地、③スタイルの3つです。

患者さんに合ったウィッグの選び方

 ウィッグの価格は、数千円から数十万円までさまざまです。洋服などと同じように、ブランド名、素材やデザイン、製法、アフターサービスの有無などで価格が異なります。価格と見た目は一致しないこともあるため、患者さんの予算内で購入することをお勧めしています。

 かぶり心地については、フィット感やしめつけ、密着感など患者さん自身がよいと感じるものをお勧めしています。装着時間も患者さん個々で異なります。長時間着用する方にとっては、あまり密着していると窮屈に感じるかもしれません。いくつか試着して、決めるとよいでしょう。

 そして、何よりも大切にしていることは、患者さんが「自分に似合うと思えるもの」を選択することです。自信のなさは行動に現れ、常に髪の毛を触っている、人と目を合わせられない、挙動不審になるなどの行動につながり、逆に人目をひくこともあります。自分がよいと思えるもの、自信をもって装着できるものを選ぶことが重要と考えます。最初にウィッグをつけて違和感があるのは当然なことで、前髪の長さや襟足の髪を調整してカットするとなじんでしっくりくることも多くあります。

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