看護師が知っておきたい、アピアランスケアの知識を解説します。今回は乳がん切除後の下着の選び方について。選ぶポイントや、前開きソフトブラジャーやシリコンパッドの製品例を紹介します。

Q. (乳がん切除後など)下着はどのようなものを選べばよい?

ひとこと回答
患者さんの生活背景を理解して、しめつけ感や刺激のないものを選びましょう。

 乳がん手術後の下着は、創部を保護して衝撃から守ることと、左右のバランスをとることで体のゆがみによる不快を減らすこと、また、パッドで膨らみを補ってボデイメージを整えるなどの目的があります。患者さん個々の体の変化に応じた、締めつけ感や刺激のないものを選ぶのはもちろんですが、患者さんがどのような生活を送るのか、例えば旅行やスポーツが趣味の方や、よく着る服装などでも選び方は変わってきますので、患者さんの生活背景を理解して相談することが、看護師の支援としてとても重要です。

①術後早期(術後1か月程度)

 創部や腋窩を締めつけたり、ワイヤーが食い込んで局所の刺激になったりするような下着の着用は避けましょう。カップつきのタンクトップやノンワイヤーのブラジャーなどが手軽で着用しやすいでしょう。ただ、術前のように胸にフィットしないことがあります。
 また、特に術後間もない時期は、患側の腕が動かしにくい場合がありますので、着脱に便利な前開き式でやわらかい素材の下着図1)を選ぶのも一案です。

図1 前開きソフトブラジャーの一例

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