日常的に行う末梢留置カテーテルの穿刺や管理について、それらを「なぜ行うのか」を解説。確実な実施のため、根拠とコツをもう1 度おさえましょう!
【第1回】高齢、浮腫や肥満がある患者では「皮膚の伸展」などを行ってから穿刺に移行する
【第13回】感染管理:穿刺部位の消毒には、消毒用エタノールや70%イソプロパノールを用いる
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ヘパリン生食と生食で、ルートの開存や静脈炎発生に差はない
末梢留置カテーテルを使用しない場合に、しばしばヘパリン生食液で末梢静脈ルートを満たし、次回の輸液まで血栓形成による閉塞を予防する方法がとられます。
しかし、ヘパリンはカテーテルにCNS(coagulase negative staphylococci、コアグラーゼ陰性菌)の付着を促進するという報告があります1。また、ヘパリンの常用は、1日あたり250~500単位の低用量でも血小板減少や血栓塞栓症、出血の合併症を引き起こす可能性があることが指摘されています2。
一方、ヘパリン生食でロックを行った場合と生食でロックを行った場合では、末梢静脈カテーテルの開存や静脈炎発生に差がないと報告されています3-5。したがって末梢留置カテーテルのロックは、生食で行うことが適切と考えられます。
陽圧ロック実施の際は、必ず「生食注入をしながら」シリンジを外す
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