国際疾病分類の変化などを受け改訂

 日本精神神経学会と日本GI(性別不合)学会は8月29日、『性別不合に関する診断と治療のガイドライン 第5版』を公表しました¹。

 アメリカ精神医学会の診断基準『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)』が改訂されDSM-5に、世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類(ICD)」が第11版に改訂され、いずれの診断基準でも性同一性障害(gender identity disorder:GID)という疾患名が廃止されています。これを受け、同ガイドラインの名称が変更されました。また性別不合は、ICD-11におけるカテゴリーが「精神及び行動の障害」から新たに創設された「性の健康に関する状態」に移動され、精神障害の分類から外れています¹。

 このような診断基準の変更や、ジェンダー・セクシュアリティを取り巻く社会的認知の変化を受けて、改訂が行われました。主な改訂のポイントは、表のとおりです²。

第5版の主な改訂点
①診断基準の改訂(DSM-5、ICD-11)への対応
②小児期における割り当てられた性への違和感に対する評価と対応
③精神科医療の関わりに関する改訂
④ホルモン療法および二次性徴抑制療法における使用薬剤と用量用法の追加
⑤二次性徴抑制療法に関する改訂
(文献2より引用)

1.日本精神神経学会 性別不合に関する委員会,日本GI(性別不合)学会:性別不合に関する診断と治療のガイドライン(第5版).
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/gid_guideline_no5.pdf(2024.09.20アクセス)
2.日本精神神経学会ホームページ:性別不合に関する診断と治療のガイドライン.
https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=23(2024.09.20アクセス)