拘縮患者さんに適切なケアを行うために、看護師が知っておきたい知識とは?今回は食事介助と口腔ケアのポイントを紹介します。
拘縮のある患者さんの食事介助のポイント
拘縮のある患者さんは、図1のように筋肉の緊張により頸部が伸展し、顎が挙上されます。すると、喉頭の挙上が制限されて、嚥下反射が起こりにくくなり、誤嚥しやすくなります。この状態では、食べ物だけではなく、自らの唾液も誤嚥してしまいます。
そして、この姿勢には頸部以外にも問題がありますが、どのような点かわかりますか? 全体を見ると、一方向へ傾き、身体がねじれているのがわかります。まずは姿勢の修正が必要です。
図1 この患者さん、どう食事介助する?

全体の姿勢の整え方
【第2回】でも説明しましたが、ポイントは空間(隙間)を見抜くことです。
図2を見てください。筋肉が緊張しているために、しっかりと座位姿勢を保持することができずに隙間があります。まずはこれを修正します。
図2 食事介助前に注意したい姿勢

座面深く座り、頭をまっすぐに
理想は図3の姿勢です。基本は座面深く座り、頭をまっすぐにすることです。深く座ることで、姿勢はずいぶん変化します。
また、図4のように、車椅子の隙間を埋めるための工夫も必要です。
図3 食事介助時の理想的な姿勢
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