20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら

なぜ語るのかと問われれば
「看護の技術化にとって
それは必須であるから」と答えよう

 ほぼ50年に近い看護師生活のなかで (註:2002 年時点)、看護を語らなかった日々があったろうかと思うほど、看護を語ることは私の生活の多くを占めてきた。語ることを通じてどれだけ看護の面白さを発見でき、仕事の喜びを追体験したことだろう。(中略)

 なぜ語るのかと問われれば、「看護の技術化にとってそれは必須であるから」と答えよう。「なぜ看護の技術化にとって語ることが必要か」との問いに対しては、私が臨床の看護師時代のごく初期に抱いた疑問に端を発し、その後の学習を通じて身につけた技術論によっている。

(出典:『看護の技術と教育 看護の時代3』119ページ、勁草書房)

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