川嶋みどり 看護の羅針盤 第58回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら

　死ぬ権利を認めてしまうと、死ぬ義務がそれに伴うという言葉の重みを良く考えて、看護職は、人間の生きる権利を実現する専門職であるとの自覚をもつべきである。（中略）

　しかし、ただ生きているだけでは本当に人間らしく生きたことにはならない。そう、生きているという現実からもう一歩進めて、人間らしくその人らしく生きていく方向を目指さなければならないのである。

（出典：『いま、病院看護を問う 看護の時代１』11ページ、勁草書房）