どうしてもだめな人が職場にいる

 何度も何度もかかわりを試みて、長いこといろいろうまくやろうとしてみたけれど、全っ然無理。こういう人は正直いると思います。

 私の考えは非常にシンプルで、その人が変わってくれることは無理だと思います。その原因にはいろいろあり、一概には回答できないと思います。私に相談していただければ回答します。

つらくなってハマる前に

 この春、新しい職場に来たという人もいるかもしれません。うまくやる……というか、ただでさえしんどい仕事を継続していくためのコツがあります。

 これは臨床現場どうこうというよりライフハックに近いんですが、「いつも機嫌がよい人」をとにかく一生懸命探し見つけることです。命がけで探しましょう。その職場に見つからなかったら他部署・他職種、あるいはネット友だちとかでもよいかもしれないです。

 いつでも機嫌がよい人だなあ、元気をくれる人だなあと思える人がいたら、その人は自分にとってのみならず、そのコミュニティ全体にとって宝だと思って大切にしてみてください。

 ありがたい人間関係というのは、むしろお金で購入したいくらいで、その(ゴキゲンな)人とかかわれるのだったらどんどん課金するくらいのつもりでもいいかもしれませんね。おごるからお茶しに行こうとか、交通費出すので一緒に外出してほしいとか。

いつも機嫌が悪い人

 ちなみに、いつも機嫌が悪い人というのがいます。残念ながら一定数います。これはしょうがないかもしれません。この人たちは、自分に余裕がないんです。余裕がないという理由が本当に多岐にわたるので、またこれが説明が難しいのです。

 例えばこんな不機嫌さんです。新人の指導役を任されるくらいの年数の看護師さんだとしましょう。新人のめんどうをみていると時間的に余裕がなくなり、もともとすごくいろいろきっちりちゃんとやりたいタイプだけど、いつもやってるその“きっちり”ができなくなる。
 それがストレスになってしまう。心理的にも時間的にも余裕がなくなり、そう思って接するのでかえって時間がかかってしまう。またそれがつらくなり、いつもの仕事がきっちりできず、それがストレスになるというループ。

 このように、冗談抜きでこの程度のループでいつも不機嫌な人もいます。この負のループを、新人のほうから断ち切るのは難しいです。

 できれば管理者が見つけて、苦手なことをさせない工夫が必要です。その工夫のためには、ナース個々の特性をよく知るということがきわめて重要です。

 多分この連載では、今後「特性」という言葉を私は多用すると思います。例えばさっきの「きっちりナース」さんは、新人の指導は極度に苦手かもしれませんが、普通の人が苦手なことがすっごく好きで得意かもしれません。そして、そのことが師長さん(上司)に伝わってないだけかもしれません。ていうか、そこまできっちりやらなくていいんですけどね……。

 医療現場って、まだまだスタッフを平等に扱おうとしますよね。私、それはもう限界にきていると思います。これからは、漫画『おはようKジロー』で岡本慶司郎(Kジロー)が冠学園で作った野球部のようなチームづくりがよいと思います(誰もわからない)。

 えっとつまり、苦手を克服させるような教育は、あまり汎用性が高くないと私は思っています(得意を伸ばせ!)。