看護師自身の身を守るために気をつけたい抗がん薬の曝露予防対策。今回は抗がん薬の混注、運搬、点滴、輸液交換・廃棄時で注意すべきポイントをわかりやすく紹介します。
抗がん薬(静注薬)混注~運搬の注意ポイントは?
①調整(混注時)
抗がん薬の調製は、教育を受けた薬剤師が安全キャビネット内で実施することが推奨されています(図1)。しかし、施設によっては看護師が病棟や外来等で実施することもあるため、教育を受けたうえで、十分な対策をとる必要があります。
図1 安全キャビネットでの調製(混注)

■個人防護具(PPE)
必要なPPEを図2に示します。
図2 「抗がん薬の調製」時に必要な個人防護具(PPE)

■調製の手技
抗がん薬のバイアルに溶解液を入れる際や、バイアルから抗がん薬を吸引する際は、バイアル内の圧力に気をつけ、 エアロゾル化や漏れに十分注意することが必要です。
■調製時の用品
閉鎖式薬物移送システム(CSTD、第3回参照)を適切に用いることで、漏れなどによる汚染を最小限にすることができます。
■プライミング
点滴バッグへ、点滴ルートのスパイク針(輸液への穿刺針)を刺す、また点滴ルートのプライミングは、安全キャビネット内で、抗がん薬以外の薬剤(生理食塩液)を用いて実施することが推奨されています。
②一時的な輸液保管とベッドサイドへの運搬
■ラベル貼付
調製された抗がん薬は決められた場所に置き、他の薬剤と識別ができるようにラベルを貼付して保管しておく必要があります。
■運搬
ベッドサイドに運搬する際は、手袋を着用します。また、汚染を拡げないようにするために、ジッパーつきのプラスチックバッグに入れて運搬することが推奨されています。
抗がん薬(静注薬)点適時の注意ポイントは?
①点滴ルート接続時の注意点
■個人防護具(PPE)
抗がん薬の接続時にも、PPEを装着することが必要です。この場合は、「①長袖ガウン」「②手袋」「③マスク」「④保護メガネ」を使用します(図3)。
図3 輸液接続・交換の際のPPE

①長袖ガウン(不織布)
②手袋(二重)
③N95マスク
④保護メガネ(ゴーグル)
■輸液と点滴ルートの接続
本来は薬剤部でプライミングまで行われるのが望ましいのですが(「①調製(混注)時」参照)、投与場所で点滴バッグへスパイク針を刺さざるを得ない場合は、目の高さよりも低い位置で行います(図4)。その後、抗がん薬を含まない薬剤(生理食塩液)を用いてプライミングします。
図4 輸液への点滴ライン接続

■接続部の選択
点滴中に接続が外れたり、抗がん薬が漏れることを防ぐために、ルアーロック式の接続を用いることが推奨されます。また、点滴ルートの接続部に閉鎖式薬物移送システム(CSTD)を用いると、抗がん薬の曝露を防ぐことができます(第3回参照)。
■環境への漏出
いかなる状況でも、抗がん薬をガーゼやシンク、ごみ箱などに入れてプライミングするなど、環境中に漏出させるような方法は行わないようにします。
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