日本高血圧学会は8月29日、『高血圧管理・治療ガイドライン2025』を発刊しました¹。改訂が行われたのは2019年以来です。
国民、患者、医療従事者の“血圧を下げる行動”につながるガイドラインに
今回の改訂では、日本国民の血圧管理状況が主要経済国のなかで最低レベルであることなどを受け、その状況を改善するため、「国民、患者、医療者の、血圧を下げる行動につながるようなガイドラインにする」という作成方針がとられました²。具体的には、「ターゲットとなる対象者を明確にすること」「利用者を明確にすること」としています。また、エビデンスについても望ましいことを示すだけではなく、具体的な行動につながるものが多く取り上げられています²。
高血圧の診断基準はこれまでと変わらず「診察室血圧:140/90mmHg以上、家庭血圧:135/85mmHg以上」となっていますが、75歳以上の患者での治療目標値が「診察室血圧:130/80 mmHg未満、家庭血圧:125/75 mmHg未満」へと引き下げられ、すべての年代で目標値が統一されました¹。
また、新しい試みとして、「『高血圧』の10のファクト」を付録としてまとめています。これはガイドラインから基本的な事項を抜粋したもので、高血圧の正確な情報を国民に伝えることを目的に作成されました²。
- 1.日本高血圧学会高血圧管理・治療ガイドライン委員会編:高血圧管理・治療ガイドライ
ン2025.ライフサイエンス出版,東京,2025.
2.日本高血圧学会ホームページ:高血圧治療ガイドライン.
https://www.jpnsh.jp/guideline.html(2025.9.20アクセス)
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