せん妄はよくわからないと思ってしまいがちですが、メカニズムを知れば効果的な対応・ケアが見えてきます!ここではせん妄を理解するためのポイントを3回に分けて紹介します。

せん妄は医療機器で測定できず、評価のしかたが主観的

 一般的な臓器不全では症状だけでなく、観察しやすいバイタルサインや定量できる検査で評価や診断をします(ガイドラインなどで基準値が定義されている)。

 しかし、「せん妄=急性脳不全」に関してはスタンダードな客観的検査はありません。“信頼性がある”とされているスクリーニングツール(CAM-ICUICDSCなど)はあり、これは精神科医の診察と一致するということですが、精神科医の診断自体が主観に依存し、血液検査、画像検査などと比べると再現性や信頼度が低いとされます。かろうじて脳波検査などは行われますが、手軽にスクリーニングなどに使えるものではありません(表1-③)。

 また、症状の評価も質問紙などはありますが、評価者の主観に影響されます(表1-②)。検査として症状評価をするにしても、研究では質問紙で点数をつけますが、過活動型せん妄で激しい症状がみられ、質問紙で点数が高くても、脳の機能不全が重度とは限らないことがあります。

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