各職種に対してナースが「ココが知りたい!」と思うこと、そして各職種が「ココは私に聞いて!」と思うことを聞いてみました。
所属している病棟では、看護師が入れ歯のケアを行うのですが、今やっているケアが正しいケアなのか、自信がありません。どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
ぴかりん
ぴかりん
歯科衛生士、4年目。大学病院の口腔外科では、看護師から全身に関するさまざまな知識を得な
がら臨床経験を積んだ。
特に汚れやすい部分があるので注目!清掃に使う物品にも注意が必要
入れ歯に汚れや食べカスが付着していると、誤嚥性肺炎やウイルス性・細菌性の口内炎、さらに虫歯など、さまざまな感染症を引き起こす原因になってしまいます。そのため、毎食後のケアがとても大事になります。入れ歯をケアする際には、使い古しの歯ブラシや義歯用歯ブラシを使用するようにしてください。毛先がやわらかくなっているため、入れ歯を傷つけにくいからです。
入れ歯は、口腔内粘膜に付着する義歯床部分(ピンク色の部分)も汚れやすいですが、残存している歯に掛けるクラスプ部分(金属の部分)は、特に汚れが付着しやすいです。ここに汚れが残っていると虫歯になる可能性が高くなるので、注意してケアをするとよいでしょう。
入れ歯を外したら、水を張った洗面器やタオルの上、または流水下で清掃します。ブラシは、入れ歯の中央から両端に向けて動かすと、汚れがきれいに取れます。クラスプ部分を強く握ると、変形や破損の原因になるので気をつけてください。
入れ歯を清掃する際のポイントは、歯みがき粉などは使用せず、水とブラシのみで清掃を行うことです。歯みがき粉の研磨剤が入れ歯を削ってしまう危険があるためです。また、就寝の際には入れ歯を外し、清掃してから水を入れた容器に入れて保存します。入れ歯を清潔に保つために、義歯洗浄剤などにつけておくこともおすすめです。
この記事は『エキスパートナース』2021年3月号連載を再構成したものです。
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