事例➁2日前から続く全身倦怠感や食欲低下を主訴に受診した女性

 Bさん(70代・女性)は、娘夫婦との3人暮らし。ハイキングに行き、帰宅後は変わった様子はなかったが、翌日から食欲が減り、元気もない様子でした。その次の日も元気がなく、朝食・昼食も喉を通らず、昼寝から起きてこないため19時頃に娘が見に行くと失禁していました。最近の活力低下もあり、20時前に夜間外来を受診。全身倦怠感と食欲低下以外に症状はなく、家族は疲れのせいではないかと考えていました。既往は特になし。

その他の情報
●食事、排泄、入浴、買い物など身の回りのことはすべて自分で行える。
●1年前に高齢者検診を受診し、特に異常なし。既往や内服なし。
●受診時、他に明らかな症状(嘔気・嘔吐、便秘、下痢、最近の体重減少、集中力や興味の低下など)はなし。

この状況で鑑別が必要な主な疾患

●甲状腺機能低下症
●大うつ病
●栄養障害(ビタミンB1欠乏)
●副腎不全
●右心不全
●傍腫瘍症候群
●脳腫瘍
●敗血症
●膠原病