さまざまな人と接する機会の多いナースが、円滑な関係構築のためにできる“ちょっとした言葉選びの工夫”を紹介します。今回は、話が終わらない患者さんへの対応です。

●話が終わらない患者さんへの対応はどうする?
・何を最も話したいのか患者さん自身も気づけていない
●話が終わらない患者さんへの正しい対応

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話が終わらない患者さんへの対応はどうする?

話が終わらない患者さんのイラスト

何を最も話したいのか患者さん自身も気づけていない

 「それでね、息子がね」「私はこうみえて、昔はモデルをやっていたのよ」など、お話が次々に移り変わったり、堂々めぐりだったり、なかなか話の切れない患者さんがいらっしゃいます。
 【第5回】でお話ししたように、不安が強い場合や自分を認めてほしい欲求がある場合、話を聴いてもらって気持ちを整理したい場合など、さまざまな背景が考えられます。

 いずれにせよ多忙な看護師にとって、1人の患者さんの話を延々と聴くことは現実的ではありません。また、長時間かけたぶんだけ患者さんが“すっきり”して、その後の話が短くなる、ということもほとんどありません。

 反対に、「あの看護師さんは話を聴いてくれる」と認定され、あなたが話を聴く機会は大幅に増えてしまうでしょう。そして、このようなとき、「何を最も話したい」のか患者さん自身も気づけていないことがほとんどです。

NGな対応例

患者さん
「それでね、息子がね」
看護師
「はい……はい……そうなんですね……」(どうしよう、話が終わらない!)

話が終わらない患者さんへの正しい対応

まず「何を話したいか」を話し合う

 上記のような場合は、最初に「今日はどんなお話を伺いましょうか?」と尋ね、得られた複数の回答を基に“何を優先して話したいか”を話し合います
 この際に、「昨日の息子さんの電話のこと」「お手洗いの照明のこと」「家の片づけのこと」「昔の仕事のこと」と声に出しながら、患者さんの前で話題を短く書きとめていきます(参照)。

図 患者さんが話したい話題をまとめたメモ(アジェンダ・マップ)

患者さんが話したい話題をまとめたメモ(アジェンダ・マップ)

 ある程度話題が出たら、「全部お伺いしたいのですが、残念ながら〇時にはナースステーションに戻らなければなりません。限られた時間ですので、○○さんにとって最も大事なことをお伺いできればと思います。このなかではどれでしょうか?と図を見せながら尋ねます。

OKな対応例

看護師
「今日はどんなお話を伺いましょうか」
患者さん
「昨日の息子さんの電話のこと、お手洗いの照明のこと……」
看護師
「〇〇さんにとって最も大事なことをお伺いできればと思います。このなかではどれでしょうか?」

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