さまざまな人と接する機会の多いナースが、円滑な関係構築のためにできる“ちょっとした言葉選びの工夫”を紹介します。今回は、話が終わらない患者さんへの対応です。

話が終わらない患者さんへの対応はどうする?

話が終わらない患者さん1

患者さん自身も、何を最も話したいのか気づいていない

 「それでね、息子がね」「私はこうみえて、昔はモデルをやっていたのよ」など、お話が次々に移り変わったり、堂々めぐりだったり、なかなか話の切れない患者さんがいらっしゃいます。
 【第5回】でお話ししたように、不安が強い場合や自分を認めてほしい欲求がある場合話を聴いてもらって気持ちを整理したい場合など、さまざまな背景が考えられます。

 いずれにせよ多忙な看護師にとって、1人の患者さんの話を延々と聴くことは現実的ではありません。また、長時間かけたぶんだけ患者さんが“すっきり”して、その後の話が短くなる、ということもほとんどありません。

 反対に、「あの看護師さんは話を聴いてくれる」と認定され、あなたが話を聴く機会は大幅に増えてしまうでしょう。そして、このようなとき、「何を最も話したい」のか患者さん自身も気づけていないことがほとんどです。

聴く前に、まず「何を話したいか」を話し合う

 上記のような場合は、最初に「今日はどんなお話を伺いましょうか?」と尋ね、得られた複数の回答を基に“何を優先して話したいか”を話し合います
 この際に、「昨日の息子さんの電話のこと」「お手洗いの照明のこと」「家の片づけのこと」「昔の仕事のこと」と声に出しながら、患者さんの前で話題を短く書きとめていきます(参照)。

図 患者さんが話したい話題をまとめたメモ(アジェンダ・マップ)

患者さんが話したい話題をまとめたメモ(アジェンダ・マップ)

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