酸素療法のしくみ

 身体に酸素が十分に供給されず、細胞のエネルギー代謝が障害された状態を低酸素症といいます。そうした状態を改善する方法が酸素療法です。適量の酸素を投与することで吸入気の酸素濃度(FIO2)を高めます

 酸素療法に必要なものは、酸素供給装置、酸素流量計、加湿器、酸素吸入器具などがあります。

酸素投与方法の種類:低流量システムと高流量システム

 酸素吸入器具には、低流量システム高流量システムがあります(図1)。

 低流量システムと高流量システムの違いはひと言で言うと、吸入する酸素濃度を“一定にできるか”“一定にできないか”の違いです。それだけ覚えて低流量システムと高流量システムの違いを理解してもよいかもしれません。

 ただ、この2つのシステムの違いをきちんと理解することで、より丁寧な酸素療法につながるので、しばしお付き合いください。

図1 酸素投与に用いる「低流量システム」「高流量システム」のデバイス