ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。でも、医師は何を想定してどこを見ているの?白黒でなんだかよくわからないけれど、看護にはどう役立つの?
 臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。

【第2回】自然気胸と胸腔ドレナージ管理での画像の見るポイント①前提となる知識
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【第1回】医師が画像をチェックする理由は?

医師が画像をオーダーするとき

 ナースの皆さんは画像データをどのように見ていますか?医師が画像をオーダーするとき、必ずそのオーダーには何か意図があるはずです。

 “頭蓋内出血を疑っているから”頭部CT、“呼吸困難があって気胸を疑っているから”胸部X線、というように、疑っている病名があり、その診断の可能性を高めるため、または否定的にするために画像を撮像する、というのが最も多い画像を撮る理由と思います。

 また、患者さんを治療中に、その画像上の変化を追う場合もあります。例えば“気胸のドレナージが効いているか”“膿瘍が小さくなっているか”“出血の術後にもかかわらず創部の痛みが続く場合”などです。

 これは病棟やICUなどの入院のときに、定期的に、または臨床的な区切りや分岐点ごとに方針決定のために撮像するという、フォローアップ目的の検査という言い方もできます。

問診・フィジカルアセスメントに加えて、“画像も見ておくとよい場面”もある

 ナースの皆さんは、ある症状やある状況の患者さんで、患者さんのところにうかがって問診をとったりフィジカルをアセスメントしたりするなかで、それだけでは不十分なことがあるかもしれません。

 そんなときに“一応画像もチェックしておいたほうがよいこと”があります。

 もちろん、画像を判断するのは主に医師ですが、“画像はドクターの仕事だから見なくていい”というよりは、見て多少なりともわかる習慣があるほうが、ナースにとっても適切な判断を行う助けになるでしょう。

 でも、「具体的にはどんな部分をみればいいの?」という疑問が出ると思います。

 そこで!今回の企画では、ドクター目線からナースの皆さんに、各状況で画像はここを見てくださるとよい、というアドバイスを、現場経験の豊富な先生方にまとめていただきました。

 もちろん今回の内容だけですべては網羅できませんが、比較的よくあるものを取り扱いましたので、きっと明日からの業務にも役立つと思います。

 今回の企画を通して、いつもお世話になっているナースの皆さんがより効率的に、迅速にケアできるようになるヒントが得られることを願っています。

この記事は『エキスパートナース』2019年4月号特集を再構成したものです。
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