ストーマについての「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せられた“実践的なギモン”まで解説。ストーマ造設後は、日々の観察をきちんと行う必要があります。 観察のポイントと代表的な合併症について学び、変化にいち早く気づきましょう。

【第5回】ストーマ周辺の観察を行うときの項目やポイントは?

ストーマ造設後は「ストーマ粘膜部」「ストーマ粘膜皮膚接合部」「ストーマ周囲皮膚」の領域を観察

 ストーマ合併症は、早期合併症術後30日を超えて出現する晩期合併症に分けられます。

 早期合併症には、ストーマ粘膜とストーマ粘膜皮膚接合部にみられるものがあります。
●ストーマ粘膜⇒壊死、浮腫
●ストーマ粘膜皮膚接合部⇒出血、ストーマ創感染、粘膜皮膚接合部離開

 晩期合併症には、皮膚障害、陥没、狭窄、脱出、傍ストーマヘルニア、炎症性肉芽、粘膜移植、ストーマ静脈瘤、PEH(偽上皮腫性肥厚)、出血などがあります。

 また、ストーマ合併症の原因の多くは、外科的手技によるものストーマ管理によるものに大別されます。

 外科的手技では、原疾患の進行状況、疾患の特性、腹腔内の状況、既往症の有無や、患者さんの体型などにより回避できない状況もあります。

 しかし、合併症の原因を予測しながら丁寧な観察を行い、適切なケア方法を行うことで予防や早期発見、悪化防止することができます。また、ストーマ管理においても、適切なストーマ装具選択セルフケア指導を行い、漏れないケアの提供や患者教育によって合併症を予防できることもあります。

 観察領域の「ストーマ粘膜部」「ストーマ粘膜皮膚接合部」「ストーマ周囲皮膚の領域」については、図1図2を参照してください。

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