代表的な不整脈の心電図波形が読めるように、波形の読み方の要点をわかりやすく解説します!今回は心室頻拍(VT)の波形の読み方です。特徴をおさえて、対応方法まで確認しておきましょう。

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心室頻拍の特徴は?

 心室頻拍P波がなく幅広いQRS波が連続する(幅は3目盛り以上〈QRS>0.12秒〉)ことが特徴です。RR間隔は一定で、3マス以下(心拍数100回/分以上)と狭いことがほとんどです。心室内で刺激が回っている状態で、心拍数も上がります(③)。

図1 心室頻拍の読み方

心室頻拍の読み方
心室頻拍の読み方2

心室期外収縮がVTに移行することも!
心筋梗塞の既往でVTが起こりやすいのはなぜ?

脈が触れなければ即CPR

 心室に発生したリエントリーや、心筋の自動能亢進により発生する不整脈です。循環動態が破綻することがあり、その場合すぐに電気的除細動を施行する必要があります。

 血行動態の安定したVTもありますが、通常はその後に血圧低下が起こる可能性があり、抗不整脈薬が投与されます。

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