代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!最終回となる今回は、QT延長症候群の波形の読み方や、後天性QT延長症候群の原因を紹介します。
QT延長症候群の特徴とは?
QT延長症候群とは、QT時間(QRSの始まりからT波終了までの時間)が延長した状態です。
正確には、QTc(補正されたQT時間。実測のQT時間÷√RR 間隔で計算される)が440ms*1以上の場合が該当します。
無症候例でも、QTc時間が500ms以上はトルサード・ド・ポアント*2発生のリスクが高く要注意です。
図1 QT延長症候群の読み方

*1【ms】ミリ秒。1/1000秒を表す。
*2【トルサード・ド・ポアント】torsade de pointes:TdP。幅の広い大きなQRS波が3連発以上続く波形で重症化しやすい。
後天性QT延長症候群の原因とは?
後天性のQT延長症候群の場合、以下のような原因が考えられます。
薬剤
●抗不整脈薬
・キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩)
・プロカインアミド塩酸塩
・ジソピラミドリン酸塩
・シベンゾリンコハク酸塩
・ピルメノール塩酸塩水和物
・ベプリジル塩酸塩水和物
・ソタロール塩酸塩
・アミオダロン塩酸塩
・ニフェカラント塩酸塩
● マクロライド系抗生物質
● 抗真菌薬
● 抗ヒスタミン薬
● 高脂血症剤
● 向精神薬
▼ハロペリドール
▼クロルプロマジン塩酸塩
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