ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。第50回は、腹痛の患者でS状結腸軸捻転を疑って、結腸の異常を画像で見るポイントについてです。

 腹痛の患者での画像の着目ポイントは第47回を参照ください。

S状結腸軸捻転を疑って、結腸の異常を見ている

コーヒービーン・サインがあれば状結腸軸捻転

 S状結腸軸捻転はCTよりも腹部単純X線のほうがわかりやすいかもしれません。X線ではコーヒービーン・サイン(コーヒー豆の形に見える)という有名な画像所見(図1-①)があり、見た瞬間に診断できることがあります1

 S状結腸過長や便秘症、高齢、長期臥床、精神疾患、妊娠が危険因子となり、腹部の著明な膨満を認めます。腸管壊死や虚血、穿孔があれば手術になるため、造影CTでそれらを確認する必要があります(図1-②)。 もしそれらの所見がなければ大腸内視鏡で捻転を整復します。

図1 ①S状結腸軸捻転のX線写真におけるコーヒービーン・サイン(左)、②S状結腸軸捻転で拡張した結腸のハウストラとビーク・サイン(右)

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