退院後の生活を見据え、患者さんの自立のために実践できる“ちょっとリハ”とは?今回は、食事時に行いたい摂食嚥下への意識向上のための声かけや、正しい頸部ポジショニングについて解説します。

五感を刺激することで、食事への準備を整える

 摂食時も匂いをかがせて、どんな味か予測してもらったり、切り分けるときの硬さから、どのくらいのひと口量が自分にとってちょうどよいか考えてもらったりすることで、認知活動を賦活(ふかつ)することはもちろんですが、摂食嚥下への意識や注意力の向上にもつながります(図1)。

 また、五感が刺激されることで姿勢反射の誘発を促進し、食事に向かう構え(準備態勢)ができます。例えば、なかなか病院では難しいですが、缶入り炭酸飲料のふたを開ける際の「プシュッ」という音は爽快感を想起させるので、食欲増進に効果を与えるかもしれません。

図1 摂食嚥下への意識向上のための声かけ

摂食嚥下への意識向上のための声かけ
実施すると…

●五感が刺激を受け、「これから食事をする」という準備が患者のなかで行える

実施時の注意点①嚥下したことを確認してから話しかける

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