毎日行うからこそ、さらにいい方法があれば知りたい口腔ケア!今回は低栄養・脱水、薬剤など、口腔内が乾燥する原因とその場合の対応を解説します。
この記事は『エキスパートナース』2014年9月号特集を再構成したものです。
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口腔内が乾燥する原因は?
口腔内の乾燥(図1-①)は、口腔ケアにかかる時間を延長させるばかりでなく、唾液の自浄作用が低下し、汚染の増悪や二次感染、粘膜の損傷などにつながります。口腔ケアをしっかりと行っているのに、次に訪床した時に口腔内が乾燥している場合は、手技や回数の見直しも必要ですが、まず乾燥の原因について考えてみることが必要です。
図1 口腔内乾燥

以下、一般的によくある乾燥の原因を示します。ちなみに、加齢による唾液腺の萎縮は唾液分泌量を減少させ予備能力を低下させますが、生活に支障が出るレベルには至らないため、口腔乾燥の直接的原因にはならないと言われています。
低栄養・脱水の場合
原因は?
手術や嚥下障害による欠食・絶食などから低栄養・脱水を招きやすくなります。特に唾液分泌の予備能力が低下している高齢者では、容易に口腔乾燥が誘発されます。
この場合、いくら口腔内を湿潤させても全身の栄養・水分が不足し、唾液分泌量も減少しているため、口腔内はすぐに乾燥状態に戻ってしまいます。
どう対応する?
経口摂取をしていない(経静脈栄養・経管栄養で管理されている)場合、口腔内と同時に皮膚症状(ツルゴールの低下)や血液データ(特に栄養・脱水に関するデータ)、水分出納、栄養投与量を見ていく必要があります。そして経静脈栄養・経管栄養の適切な投与管理を行います。
それと同時に、経口摂取の可否について検討が必要です。経口摂取は低栄養・脱水が是正されるだけでなく、味覚や咀嚼の刺激により唾液の分泌が促進されるため、口腔乾燥の対策には非常に有効といえます。必要時、NST(栄養サポートチーム)や摂食嚥下チームに介入してもらうのもよいでしょう。
薬剤による影響の場合
原因は?
副作用に口腔乾燥・口渇がある薬剤の多くが副交感神経の抑制作用を有し、唾液分泌を抑制するといわれています。しかも、そのような薬剤を多剤服用している患者は、より唾液分泌量の減少が見られるともいわれています1。
口腔乾燥を惹起する可能性のある薬剤を表12にまとめます。
表1 口腔乾燥を惹起する可能性がある薬物
抗うつ薬
<医薬品名(一般名)>
●イミプラミン塩酸塩
●アモキサピン
●マプロチリン塩酸塩
●ラゾドン塩酸塩
<医薬品名(商品名)>
●トフラニール®
●アモキサン®
●ルジオミール®
●デジレル®抗不安薬
<医薬品名(一般名)>
●アルプラゾラム
●ジアゼパム
●ヒドロキシジン塩酸塩
<医薬品名(商品名)>
●コンスタン®
●ソラナックス®
●ホリゾン®
●アタラックス®利尿薬
<医薬品名(一般名)>
●フロセミド
●スピロノラクトン
<医薬品名(商品名)>
●ラシックス®
●アルダクトン®抗不整脈薬
<医薬品名(一般名)>
●ジソピラミドリン酸塩
<医薬品名(商品名)>
●リスモダン® R降圧薬
<医薬品名(一般名)>
●エナラプリルマレイン酸塩
●ドキサゾシンメシル酸塩
●ニフェジピン
<医薬品名(商品名)>
●レニベース®
●カルデナリン®
●アダラート®抗潰瘍薬
<医薬品名(一般名)>
●ファモチジン
●ランソプラゾール
<医薬品名(商品名)>
●ガスター®
●タケプロンパーキンソン病治療薬
<医薬品名(一般名)>
●アマンタジン塩酸塩
●レボドパ
<医薬品名(商品名)>
●ガスター®
●タケプロン®鎮痛・抗炎症状
<医薬品名(一般名)>
●ジクロフェナクナトリウム
●モルヒネ硫酸塩水和物
<医薬品名(商品名)>
●ボルタレン®
●MSコンチン®抗コリン薬
<医薬品名(一般名)>
●アトロピン硫酸塩水和物
<医薬品名(商品名)>
●アトロピン硫酸塩抗てんかん薬
<医薬品名(一般名)>
●バルプロ酸ナトリウム
<医薬品名(商品名)>
●デパケン®抗アレルギー薬
<医薬品名(一般名)>
●クロルフェニラミンマレイン酸塩(文献2より引用、一部改変)
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