大腸全摘術後の排泄障害をもつ家族性大腸腺腫症患者さんは、独自の対処方法を確立していました。その研究結果をもとに、実践したい看護ケアを紹介しています。

前回の記事:家族性大腸腺腫症の排泄障害:患者の対処法習得プロセスは?【看護研究#33】

親の体験も踏まえて、独自の対処をできるように支援

ケアのポイント

●排泄障害への対処方法を導き出し、次世代につなぐ
●親の体験をネガティブに捉えている場合には、疾患が同じでも体験は異なることを認知できるように働きかける
●看護外来などでの継続的な支援を行う

大腸全摘術後の家族性大腸腺腫症患者さんに対するケア

Step1:対処方法を導き出す支援

●症状体験をていねいに確認する
●患者さんに合った方略を提案する
自分で対処方法を導き出す支援をする

Step2:対処方法の指標作成を促す支援

●感情表出を促す
●視野を広げて対処方法のめやすが見つけられるよう同病者の体験を紹介する
疾患は同じでも親とは異なる体験をしていることが認知できるよう、働きかける
※親の体験をネガティブに捉えている場合

Step3:独自の対処方法への転換を支える支援

症状の変化に合わせた対処方法のめやすを作成する
●症状体験および対処能力を引き出す

Step4:社会復帰のイメージ化を促しながら柔軟な対処方法を導き出す支援

●社会復帰のイメージ化を促す
無理なく継続していける対処方法を導き出す
●外来などで継続的にケアを行う

社会復帰も見越した4つのステップでケアを行う

Step1:次世代が排泄障害は乗り越えられるというイメージをもてるよう、対処方法を導き出す

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