国内外のACPの定義、話し合いの内容やポイント、メリットと課題、看護師に期待される役割について解説。今回は訪問看護で行うACPのコツを紹介します。
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訪問看護の対象者は、加齢に伴う身体的・精神的機能の衰えや、疾患が進行してADLが低下するなど、セルフケアに支障をきたしている方々と言えます。そういった特徴をもつ療養者に対して、日常生活の場面での意思決定支援では、表1に挙げた3つの視点が必要です。
表1 日常生活の場面での意思決定支援に必要な視点
①疾患とその方の療養状況から見て、これから起こり得る少し先のことを問いかける
②ご自身が自ら表現できなくなった時のため、普段から「その方ならではの言葉」をたくさん集めておく
③ご本人やその代理人がその能力に応じて決められることを後押しし、決められたことを実現できるようにケアチームでサポートする
転換期ごとに意思決定支援を行う
ここでは事例をもとに、在宅での意思決定支援の時期と内容について具体的に説明します。
表2はある糖尿病在宅療養者の事例を時間軸でまとめたものです。番号が意思決定支援の時期です。
表2 時間軸と意思決定支援の時期

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