川嶋みどり 看護の羅針盤 第101回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　私は看護師と医師は対等であると考えています。しかし、そのためには看護師は看護師としてあるべき力をもっていなくてはいけません。それは、患者さんの状態を的確にアセスメントして実践し、必要に応じて指導する力です。そここそ看護の真価を問われる点だと思うのですが、この点において看護師の間でさえ意見が分かれています。

　つまり、医師の診療面の仕事を少しでも多くできることで対等になれたり、看護師の社会的な地位を上げるのだと錯覚している向きがあります。看護界の内部でさえそうした考え方があるのですから、看護の職業が正しく社会に認識されていない現状は当然かもしれません。

（出典：『看護技術の基礎理論』142ページ、ライフサポート社）

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら