川嶋みどり 看護の羅針盤 第131回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　入浴習慣が生活の中にとけこんでいるのを考えるとき、病気や障害によって入浴できない患者に、入浴と同じような気持ちよさと、入浴によって得られる清潔や身体機能に及ぼす効果を期待した全身清拭の技術を看護師が身につける必要がある。（中略）

　したがって、最近看護の効率化のためにしばしば用いられるおしぼりによる清拭も、安楽を主眼とした清拭には好ましくないと考える。

（出典：『看護技術の安楽性』113～114ページ、医学書院）

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