2025年12月、日本うつ病学会は『うつ病診療ガイドライン2025』を公表しました¹。
「SRに基づくエビデンス評価」と「現場での活用」を重視
同ガイドラインは、今日の診療ガイドライン作成に求められる、システマティックレビュー(SR)に基づくエビデンス評価を基盤にしつつ、実際の医療現場や医療制度のなかで活用できるように、臨床での思考過程に焦点を当てた構成になっています。また、文章では把握しにくい治療の流れや分岐点については、図表やフローチャートを多用することで可視化し、読者が“フェーズの現在地”や「次に検討すべき選択肢」を確認しながら読み進めることができるようにも設計されています¹。
作成には、精神科医を中心に薬剤師・心理職・看護師・作業療法士などの多職種のほか、うつ病当事者やその家族、協力団体として日本精神神経学会も参画しています。
章設定には、重症度や「児童・思春期」「周産期」「老年期」などのライフステージ、睡眠障害といった“サブタイプ”に対応した横軸と、「後続治療(初回の抗うつ薬で効果が不十分な場合)」「さらなる段階の治療(後続治療で効果不十分の場合)」「維持期治療」などの“治療過程のフェーズ”に対応した縦軸といった観点が採用され、より個別性の高い診療支援に沿った構造となっています¹。
その他、「システマティックレビューの枠組みに必ずしも適さないものの、現場で頻繁に直面し、今後の活用が期待されるテーマ」7つを「トピックス」として独立して掲載しています(表)¹。
表 7つのトピックス
トピックス1 診断基準を満たさない閾値下の抑うつエピソード
トピックス2 うつ病に対する精神療法
トピックス3 うつ病治療における漢方薬
トピックス4 時間生物学的治療
トピックス5 労働者のうつ病
トピックス6 抗うつ薬の薬物相互作用
トピックス7 今後期待される治療
(文献1より引用)
- 1.日本うつ病学会:プレスリリース「複雑なうつ病診療に、迷わないための地図を。『うつ病診療ガイドライン2025』」.
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/toppdf/20251225.pdf(2026.1.20アクセス)
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