日本緩和医療学会、日本腎臓学会、日本透析医学会は2025年9月29日、3学会合同で『腎不全患者のための緩和ケアガイダンス』を作成したことを発表しました。
非がん疾患に対する緩和ケアの普及・質向上につながることを期待
3学会は、「近年、腎不全患者の辛い身体症状・精神症状に対する、緩和ケアの体制整備を求める世論」が高まっており、また今年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2025)に腎不全患者の緩和ケアを含む慢性腎臓病対策を推進する重要性が明記されていることを受けて、本ガイダンスを作成したとしています1。
『腎不全患者のための緩和ケアガイダンス』の内容(一部)
第1章 腎不全患者の臨床経過と腎代替療法の選択
・腎不全の臨床経過
・腎不全患者の予後
第2章 腎不全患者における緩和ケアに関する考え方
・腎不全緩和ケアの基本的な考え方
・緩和ケアとエンド・オブ・ライフケア
第3章 腎不全患者における緩和ケアの実践
・身体症状の緩和(痛み、倦怠感、睡眠障害、掻痒感、悪心・嘔吐など)
・精神的苦痛の緩和(抑うつ・不安、せん妄)
第4章 腎不全緩和ケアにおける医療提供体制の構築
・多職種チームでの緩和ケア
・多職種チームの現状と課題
(文献2を参考に作成)
腎不全緩和ケアの基本的な考え方として、「基本的緩和ケア(すべての医療従事者によって実践される緩和ケア)」と「専門的緩和ケア(専門医や専門・認定看護師などの緩和ケアの専門家によって実践される緩和ケア)」に分けられるとし、後者を緩和ケアチームが設置されていない病院等や在宅でも利用できるよう、求めに応じて助言等を行う「地域コンサルテーション」の実践が求められていると指摘しています2。
また序文では、日本が「いわゆる先進国の中でがん以外の疾患の緩和ケアの整備が最も遅れていた国の一つ」であると触れ、「この取り組みが、腎不全のみならず、わが国のあらゆるがん以外の疾患に対する緩和ケアの普及と質向上の礎となることを期待します」としています2。
- 1.日本緩和医療学会ホームページ:「腎不全患者のための緩和ケアガイダンス」公開.
https://www.jspm.ne.jp/news/individual.html?entry_id=2596(2025.10.20アクセス)
2.日本緩和医療学会,日本腎臓学会,日本透析医学会:腎不全患者のための緩和ケアガイダンス 2025年9月.
https://www.jspm.ne.jp/files/kidneyPCguide.pdf(2025.10.20アクセス)

