10月9日、厚生労働省が「令和8年版過労死等防止対策白書」を公表。医療業界における精神障害の労災認定数が急増していると指摘されました。
医療業界の労災認定は10年で約3.6倍に
「過労死等防止対策白書」は、過労死・過労自殺の現状や国が進める対策をまとめたもの。11回目となる今回の2026年版では、「過労死等防止対策大綱」における調査研究の重点業種等の動向や、建設業・自動車運転従事者・IT産業のアンケート調査結果、過労死等(脳・心臓疾患、精神障害)の労災請求件数の増加要因分析などが示されました。
医療分野における精神障害の労災支給決定事案は、直近の2021~2023年度が単年度ベースの平均認定数59.3件と、2021~2023年度の約3.6倍に上りました1。
2025年度の自殺以外の精神障害の労災請求件数は、男性2,189件、女性2,554件、合計4,743件1。10年前と比べると、男性は2.81倍、女性は4.19倍と、増加傾向がみられます1。
業種別にみると、「医療、福祉」の件数が1,254件と最も多く、全体の26.4%を占めています。さらにこのうち「医療業」の職種別の内訳をみると、「保健師、助産師、看護師」が293件で最多となっています1。
また、「医療、福祉」の精神障害の労災決定件数(自殺事案を含む)の要因は、上司とのトラブルなどの「対人関係」が最も多く、540件でした1。
そのほか、過労死等の防止のための対策も示されました(表)1。
表 労働行政機関等における対策
①時間外労働の上限規制の遵守徹底
②長時間労働の削減に向けた取組みの徹底
③過重労働による健康障害の防止対策
④メンタルヘルス対策・ハラスメント対策
⑤過労死等を発生させた企業に対する再発防止対策(文献1を参考に作成)
- 1.厚生労働省:令和8年版過労死等防止対策白書.
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001757391.pdf(2026.10.13アクセス)
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