胸腔ドレナージ中に注意したい「逆行性感染」。消毒のコツやドレーンルートの位置など、逆行性感染を予防するためのポイントを紹介します。

Q. 「逆行性感染」予防、どこに注意する?

●刺入部に対しては、定期的に消毒を行い、確実に固定します。
●ルートは刺入部よりも低く管理し、移動時は抜去・ボトル転倒に注意します。
●排液の性状に注意しながら、必要なくなれば、極力、抜去します。

1)刺入部周囲を毎日(もしくは数日おき)に消毒する

 皮膚には常在菌が存在し、感染の原因となりえます。まずは刺入部の感染を起こさないよう、皮膚の細菌数を減らすために刺入部周囲を適切に消毒することが必要です。

 頻度は毎日、あるいは数日おき(ドレッシング材を剥がすタイミングで、滲出液の量による。第18回参照)で、0.5~1%クロルヘキシジンアルコールやポビドンヨードがよく用いられます。ポビドンヨードを用いて皮膚消毒を行う際は、消毒効果を得るために2~3分待つ(乾燥させる)ことも重要です。

2)胸腔ドレーンを押し込まない

 刺入部からの逆行性感染や、ドレーンの脇から空気が胸腔内に逆流することを防止するため、滲出液が少なければ、透明ドレッシング材で刺入部を被覆します。

 ドレーン刺入部の固定も大切で、定期的にドレーンの位置を確認してください。抜けかけたドレーンを胸腔内へ再挿入することは逆行性感染を引き起こし、膿胸を発生させる可能性が高いので行いません。

3)ドレーンルートを刺入部よりも低く管理する

 逆行性感染防止のために、ドレーンルートはドレーン刺入部より低い位置に置きます。具体的には、排液ボトルは刺入部より20cm以上低くしてください(図1)。

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