ストーマについての「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せらた“実践的なギモン”までお答えします。今回はストーマ造設患者のセルフケア項目と、装具交換の指導を行うために看護師に必要な知識・技術について解説します。
【第15回】ストーマ患者を受け持つときに、欠かさず行うべきことは?
患者さんのセルフケア習得状況を把握しておくことが必要です。自身でストーマをケアできるよう、フォローをしましょう。
ストーマ造設患者のセルフケア項目
ストーマセルフケアとして入院中に実施・習得する内容は、以下の通りです。
患者さん自身がセルフケアをすることを前提としているので、家族がケアに参画する場合には、家族を対象としたケアの追加が必要になり、その項目は省略しています。
心理
●ストーマを見ることができる
●ストーマセルフケアに対する意欲がある
排泄物処理
●採便袋から定期的に排便できる
●取り外した排尿袋(もしくはレッグパック)の処理ができる
装具交換
●装具交換の必要物品を準備できる
●はがした面板の溶け具合を観察できる
●装具を外した後の皮膚をやさしく洗浄できる
●皮膚保護剤貼付部位の皮膚の観察ができる
●ストーマ粘膜の観察ができる
●装具を貼付する前に洗浄後の皮膚が乾燥していることを確認できる
●ストーマサイズを測ることができる
●ストーマサイズに合わせてホールカットできる
●ストーマサイズにカットした面板をストーマに合わせて貼付できる
●貼付した装具の排泄口が閉じていることを確認できる
生活
●装具を貼付したままシャワー浴(入浴)ができる
●シャワー浴(入浴)時に装具交換ができる
社会復帰
●身体障害者手帳の申請が終了する
●装具の購入方法がわかり、注文ができる
●ストーマ外来の受診方法がわかる
●自宅でストーマトラブルが発生したときの対処法がわかる
上記の項目を短い入院期間中に患者さんが習得できるようかかわっていくことが、看護師に求められています。
つまり、装具交換の指導だけではなく、例えば、排泄物の廃棄方法の指導や、シャワー浴(入浴)も入院中に経験していただく必要があるので、装具交換日に担当しなかったとしても、患者さんのセルフケア状況には心を配る必要があります。
装具交換の指導を行うために看護師に必要な知識・技術
また、装具交換の指導をするにあたって、看護師が習得しておくべき知識と技術について以下にまとめました。
新人看護師の指導の際に役立ててもらえればうれしいです。
この記事は会員限定記事です。